TRT療法とは・・・
TRT療法とは、耳鳴り改善に大きな効果を発揮している、耳鳴り治療です。
また、TRT療法は、TCI(ノイズジェネレータ)を使用した音治療と、専門医によるカウンセリングで構成されています。
シーメンス社製のTCI、価格は63000円。
基本的に、TCIを装着した状態で、日々の生活を送り、1か月から2カ月に1度程度、耳鼻咽喉科を受診し、医師とカウンセリングを行うという形になります。
これが、1年から2年程度続くことになります。
TRT療法を受診した耳鳴り患者のうち、実に80%の人が、改善効果を実感したという報告もあり、その意味ではこの治療有効性を立証するものですが、
上述とおり、高額な医療器具を購入する必要がある点や、TCIを装着して生活する点、また治療期間が長期に渡るなど、患者の負担も低くないことが、
この治療法のデメリットとしてあげられるでしょう。
耳鳴り対策としてのTRT療法
耳鳴り治療に大きな効果を発揮しているTRTですが、この治療は、耳鳴りの消失を目的としているわけではありません。
TRTの目的は、耳鳴り自体は鳴っているが、気ならない状態というのをひとつのゴールとして、設定した治療法です。
耳鳴りを不快に感じる人の多くは、耳鳴りを有害な音として認識するあまり、その完全な消失に躍起になる傾向があります。 しかし、TRTはそういった意識の改革を改革し、耳鳴りを無害な単なるノイズと、脳と意識が認識することを目指します。
TRTの方法論は、そもそも耳鳴りは、耳で鳴っているのではく、脳が本来音ではない何らかの信号を、音として認識してしまっている結果、 耳鳴りという現象となって表れてしまっているという解釈の上に成り立っています。聴覚神経を切断しても、耳鳴りは消失しなかったというデータの存在も、 この解釈と合致します。
TRTの音治療には、一般にホワイトノイズを使用します。基本的に、人間はこのホワイトノイズを、無害で心地よい音であると、認識するようです。 つまり、有害である耳鳴りと、無害であるホワイトノイズにより治療を進めていくというわけです。
ですから、この治療では、耳鳴りとホワイトノイズを同時に聞き続ける必要があります。 そこで、ホワイトノイズの音量を、耳鳴りがかすかに聞こえるレベルに調整しなければなりません。 無害なホワイトノイズの中に、耳鳴りの音を紛れ込ませることにより、耳鳴り自体を無害な音として、脳が認識するよう、仕向けて行くということです。
一方、聴覚過敏の改善にも効果が期待できるというTRTですが、こちらの治療にも、
この耳鳴り治療の方法で対応できるのでしょうか?
私の答えはNOです。
聴覚過敏対策としてのTRT療法
聴覚過敏対策として、TRT治療を行うならば、それは聴覚過敏改善のためのメカニズムに立脚する必要があると、私は考えます。
結局、聴覚過敏改善に対する効果が薄い要因は、耳鳴り治療の延長としてTRTを行っていることにあるのではないでしょうか?
そこで、私は聴覚過敏改善に向けた、TRT治療の方法について考えてみたいと思います。
まず、
TCIは両耳に付ける
一般に、耳鳴り治療の場合、TCIは方耳(耳鳴りがする方)のみに付けるのが一般的のようです。実際、私もそうでした。
ただ、耳鳴りの場合、これでも効果はあると思います。
それは、そもそも耳鳴りの場合、「有害な音=耳鳴り=内部の音」ですから、耳鳴りを感じている方の耳にのみ、
ホワイトノイズ=無害な音を流すことでも、効果は得られるでしょう。
しかし、聴覚過敏の場合、「有害な音=過敏な音=外部の音」ですから、そうすると、有害な音を認識するのは、
両耳ということになるでしょう。であれば、有害な音にホワイトノイズで中和するのは、両方の耳であるべきだと考えるのが自然の流れでしょう。
また、欧米では、TRTは原則、両耳で行うことを推奨しているという話を聞いたことがあります。まあ、患者の費用面での負担を考慮した結果、 方耳で行うというのが、一般化しているのだと思います。なにしろ、ひとつでも7万近くするわけですから。
また、
耳鳴りを基準に音量を調節しない
まあ、これは耳鳴りを併発している場合という話しになるのでしょうが、耳鳴りがかすかに聞こえるレベルという調整方法は、
聴覚過敏改善には、意味をなさないと考えます。
これも、TRTの音治療が、過敏に感じてしまう音(有害な音)に対して、無害なホワイトノイズで中和し、脳の知覚自体を鈍らせることを 目的にしているものだと、考えると、当然外部の過敏に感じる音とのバランスで、音量を調節する必要があると思います。
TCI製造メーカーのシーメンスの資料によると、聴覚過敏の治療に際しては、音量段階的にあげていくとあります。
まずは、小さい音から始め、2週間毎を目安に、少しずつホワイトノイズの音量をあげていくというのが、正しい考え方なのではないでしょうか?
ただ、TCIを二つ使用した上で、2年もの間治療を続けるわけですから、医療費の負担も大きいです。そこで、次のコンテンツでは、この話題を取り上げています。

